今日のむかつき

今日もあの子にカチンとさせられた。
今日はあの子と二人きりなので予想できていたが。
基本的にあの子は人の助けを請うし、すぐ人の所為にする。
助けを請われたときは快くサポートしているし。
僕の所為にされたら話を聞き流す。
僕はかなり正直なので聞き流していることも伝わっていると思うが。

今日もごく些細なことだ。
蔵の中は狭い。
あらゆる作業は他の作業の邪魔になりうる。
場合によっては気を利かせれば他の作業の邪魔になることを防ぐことが出来る。
今日は僕が気が利かなかった。

具体的には彼がポンプを移動する通路をホースで遮ってしまった。
良くあることだ。
行きは彼が僕に助けを請うたので僕が手を貸してホースの下を潜らせた。
帰りは彼がカチンときたらしく僕を責め始めた。
ちなみに僕ならポンプに手を着けた時点で通路を確認し。
障害物があれば自分の手で通路の確保を行う。
誰にも文句は言わない。
人の手も借りない。
なぜなら器具がを設置するたびに、
将来障害物になりうる可能性を考えていているよりも。
障害物になった時点でのかせた方が作業が迅速に行えると考えるし。
障害物という認識を人に伝えたり人の作業を中断するのは効率が悪いからだ。
あとしょうもない注意は基本的にしないことにしている。
本当に重大な注意が効果的でなくなるから。

そういうわけで口では「あなたの言っていることは正しいです」
と言っていたが。
「また人の所為ですか」という態度で聞き流した。

前から彼のそういう姿勢は気になっていたし、
彼のためにも良くないと考えていたので、
どういえば彼が改めるか考えたが、

「正しいことを言うだけで、自分で何もしない奴は職場では相手にされんのですよ」
とか
「僕があなたのフォローを一日何回黙ってやっていると思っているんですか」
とか(ちなみに今日は気を利かす以前のことを二回は黙ってフォローした。)
「そんなんだから40越して定職にありつけないんですよ」
とか
「奥さんは随分我慢していると思いますよ」
だんだん個人攻撃的な言葉が心の中に出てきたので。
自分の攻撃性を確認した。
純粋に彼のためを思って注意できるようになるまでは何も言わないことに決めた。

あとでさらに考えて、四十年間これなんだから今さら口で言っても変わらないだろうと諦めた。