半日社長

社長が出かけた。
蒸し器を初めて使った。
昨日予行演習はしてある。
しかし蒸し終わっていざボイラーを切る前ににバルブを閉じるのに抵抗を感じた。
「ここを閉じたら今まで吹き出していた蒸気がバルブ上流側に閉じこめられるぞ。」「なんか危なそうだ。」一人だとそういうことが不安になる。
一応説明するとボイラーとはボイルする装置、つまり水を沸騰させて蒸気を作る装置だ。蒸気はパイプを伝って蒸し器まで届けられる、蒸し器の出口から少しずつ出て行く。バルブは蒸し器とボイラーの間に存在して蒸し器に送られる蒸気の量を調節する。蒸し器の出口をふさげば蒸し器内の圧力が高まって最悪爆発する。バルブをおおく開けば蒸し器に入る蒸気の方が多くなって蒸し器の中の圧力が高まる。圧が高くなるとその分、蒸気の出て行くのも早くなるので定常状態に入る。もちろん定常状態に移る前に圧に耐えきれず蒸し器が壊れる可能性がある。凶暴な蒸気から蒸し器を守るためバルブを調整するのが私の役目というわけだ。
蒸気をバルブ上流側に閉じこめるとどうなるか?ボイラーの加熱が続け単純に考えれば水の温度は上昇し続け蒸気圧も高まり続ける。現実的には圧力による破裂か高温に夜融解などでカタストロフィーが訪れる。
しかしよく考えろボイラーを作る人は何らかの対策をしているだ。安全弁をつけたり。サーモスタットをつけたりすれば過度の温度や圧力から機械を守れる。しかしこれは家電製品ではない。業務用の機械だ。安全弁をつけない事が、商品の汎用性を高めるかもしれない。
思考によって答えが出ない問題だ。データが足りない。思い出せどこかにあるはずだ。